飽きのこない愛用品 セイコー ロードマチック 5601-9000


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私の愛用品

今回はロードマチック ノンデイト 5601-9000 です。

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前時計ブログでも何回も紹介している時計で私のお気に入りです。昔から読んでくださっている読者さんには、いい加減ネタ切れ感があるかな。記事の焼き直しになる部分もありますが、今の視点・考え方で語ってみようと思います。

oldjapanwatch.blog.fc2.com

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56ロードマチックとは

56ロードマチックは、1968年に諏訪精工舎から、次世代の自動巻きとして登場しました。ビジネスマン向けの中核モデルとして人気を博し、大変売れたようです。現存数もかなり多く、今でも中古市場で状態の良い個体を見つけられます。しかし1969年にセイコーが発売したクオーツ時計が数年で進化し低価格化が進むと、機械式時計は時代遅れの産物と言われるようになり、一線から退くことになります。セイコー機械式時計の集大成であった56ロードマチックは1977年に幕を閉じます。セイコーは1980年頃には国内製品はすべてクオーツにシフトし、機械式時計の技術を捨ててしまいます。(海外向けモデルを除く)

トンボ出版の書籍などに詳しく書いてますから、気になる人はどうぞ。

国産腕時計セイコー自動巻

国産腕時計セイコー自動巻

  • 作者:森 年樹
  • 発売日: 2012/12/01
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

56ロードマチックのバリエーション

56ロードマチックは大変人気がある時計だったので、バリエーションも非常に豊富でした。特にビジネスマン御用達のデイデイト(日付曜日カレンダー)モデルは、全容が分からないくらい多くの種類があります。56ロードマチックはケース品番だけでも113種類あるらしいので、文字盤デザイン・色違いも入れると恐ろしい数になります。

しかしその中でもノンデイトモデルは、3種のケースしかありません。

5601-7000

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写真は下記オークフリーwebサイト(ヤフオク落札結果)からの転載です

https://aucfree.com/items/n292658848


5601-7010

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写真は下記オークフリーwebサイト(ヤフオク落札結果)からの転載です

https://aucfree.com/items/h348881278


そして今回紹介する
5601-9000

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文字盤は2種

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バーインデックス文字盤と全数字文字盤
色はどちらも白(シルバー)のみ

当時は、スマホも携帯電話もパソコンも無い時代ですから、ビジネスマンには腕時計が必須でした。カレンダー機能も重宝されました。今とは比較にならないくらい腕時計が売れた時代だったのです。だからどのシリーズにもノンデイトモデルが用意されてました。カレンダー付きモデルのようには売れなかったのでしょうけど、現存数を見るとかなり売れていたことがわかります。特にオーソドックスなデザインの5601-9000は中古市場でもたくさん出回っています。

 

改めてレビュー

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全数字・バーインデックス共に、オーソドックスなデザインで奇をてらう部分は皆無です。装飾もステンレスブレスの一部、文字盤ベースの絹目くらいで、実にシンプルな構成です。さもすれば物足りなさも感じるくらい。しかしそれこそが飽きずに長く使える愛用品となる理由なのです。コテコテのディテール満載のデザインはたまに使うなら良いけど毎日は使えません。付けていても主張しない、自然にそこにあるデザインこそが良い道具の条件だと思います。

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良い道具は、機能も大事です。時計なのですから時刻が一目で分かる必要があります。セイコーらしい美しいドーフィン針。長針・秒針の長さは及第点ですが、反射したときにも読みやすいように黒いラインが入ります。時計としての機能は全く問題がありません。

5601は、6振動のムーブメントですが精度を出すのが容易で、私が所有する個体も精度良く安定しています。

私は毎日同じ時計を使うことはありません。気分で時計を選んでつけます。だからカレンダー合わせをする必要のないノンデイトは楽で良いです。数回振ってリューズ引いて時刻合わせするだけ。30秒ほどで完了しますから機動力が高いのです。
 

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この時計の素晴らしいところは絶妙なサイズにあります。36mm径、厚さ9.4mm、そして薄くてフィットするステンレスベルト。腕に巻いたときの一体感は、昨今のデカ厚時計では味わえません。腕の上でクルクル回ることなく、つけていることを忘れてしまうような時計は滅多にありません。

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上品なデザインで機能性も高いステンレスベルトですが、難点は中駒が摩耗しやすくグラグラになりやすく、広がって変形しやすいです。この場合はラジオペンチ等で挟んで締め直します。数年前まではこのベルトのデッドストックも市場に出てましたが、最近はほとんど見なくなりました。もう1、2本このベルトのストックが欲しいところです。

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クラスプは他のロードマチックと共通デサインです。セイコーのクラスプはカシメてありますが、上手に分解すれば他モデルのロードマチックから流用可能です。


文字盤ディテール

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数少ない装飾の絹目文字盤。実は絹目なのは全数字文字盤のほうだけで、バーインデックスは縦筋のみです。どちらも落ち着いた上品な文字盤なのですけどね。


セイコー品番について

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前ブログ記事の焼き直しですが、セイコーの品番の読み方を再度解説します。古いモデルなど、全てに当てはまるわけではありませんが、知ってると便利です。

セイコーは4桁+4桁が基本です。

左4桁の上2桁はムーブメント(機械)の番号です。

その次の下2桁目は機械のグレードを示してます。
ひとつの機械を普及品・キング・グランドと使いまわすのは珍しいです。56はそれだけメーカーも力が入った優れた機械でした。基本的に数字が大きくなるほど、高精度・機構が追加・仕上げが良いモノになります。

その次の下1桁目はカレンダーの種類です。
上図の通りですが、これに当てはまらない場合もあります。

右4桁はケース番号です。
ある程度規則性がありますが、これも全てに当てはまるわけではありません。
初期型は下1桁目が0ですが、マイナーチェンジごとに数字が増えます。

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さらにややこしい話ですが、この番号は文字盤にも記載されています。
この時計のケースは5601-9000ですが、文字盤は5601-9001です。(全数字は5601-9011)ロードマチックの初期文字盤はLMの植字が無く、その文字盤は5601-9000なのです。つまり文字盤が変わり下一桁が0→1となっています。

 

これからもよろしく

結局、このロードマチックを使ってしまいます。
地味だけど、出しゃばらず信頼できる相棒といったところでしょうか。好きな時計はたくさんあるけど、最後まで残るのはこんな時計なのでしょうね。



----- 諸元 -----

・ムーブメント
キャリバーNo. 5601(23石)
機械式 自動巻き(手巻き・ハック付き)

・外装
ステンレスワンピースケース ポリッシュ仕上げ
テンションリング付きプラスチック風防(29φ)

・ベルト
ステンレスベルト ポリッシュ/ヘアライン仕上げ

・サイズ
ケース径 36mm(リューズ含まず)
全長(ラグ端-端)42.3mm
厚さ 9.4mm
ラグ幅 18mm

・重さ
本体のみ 33g
ステンレスベルト 30g
合計 63g

・その他
日常生活用強化防水