私の選ぶ現行ダイバーズウォッチ

ダイバーズウォッチとは

こんにちは。
先日コメント欄で、読者さんから『私の選ぶダイバーズ』が知りたいとリクエストがありましたので、お応えいたします。

まずダイバーズウォッチをさらりと理解したほうが良いです。少々長文になりますが、過去に記事を書いてますから読んでみて下さい。

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世の中では、回転ベゼルがついてる防水時計を全てダイバーズウォッチとして売られています。特に舶来時計はイメージ先行なモノが多く、曖昧な感じがします。

別にカッコよければ何でもいいじゃん。という方もいるでしょう。私もダイバーズウォッチつけて海に潜るわけではありません。陸で使うならダイバーズウォッチの性能も不要でしょう。しかしダイバーズウォッチを選ぶ以上、明確に分けて評価したほうが分かりやすいと思います。ダイバーズウォッチの規格をクリアして、ダイバーズウォッチとして売る場合は、それなりのコストもかかるわけです。


今でも買えるダイバーズウォッチで、5万円くらいまでと希望されましたから、この範囲で私のオススメモデルを紹介します。この縛りだと国産しかありません。さらに私はソーラー電池の時計を好みませんから、セイコーしか選択肢はありません。

セイコーは昔からJAMSTECと共同してダイバーズウォッチの開発を行ってきました。潜水実験も何度も行われています。セイコーのダイバーズウォッチが、ISO、JIS規格の模範にもなりました。

www.seikowatches.com

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男子は、こういう技術やストーリーにロマンを感じるのです。陸では使い切ることのない性能なのは分かっているけど、そのスペックに気持ちが高ぶるのです。
もちろんアウトドア等でハードに使っても浸水することがありませんし、外部からの衝撃により壊れることもありません。絶対的に信頼できるからこそ、多くの冒険家にも愛されたのです。

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私の選ぶダイバーズウォッチ

前置きが長いですね(笑)

でもよくある『おすすめダイバーズウォッチ5選』みたいな宣伝のための記事を書いても仕方ありません。

セイコーダイバーズ ボーイ SKX007

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言わずと知れた名機です。数年前は12000~15000円くらいで新品が買えましたから当時を知っている人には、現在の価格28000円はずいぶんと割高感があると思います。

 200m空気潜水用防水でありながら、低価格だったので持て囃された一面もあります。しかし現在の価格でも他メーカーには200m空気潜水用防水の時計は存在しません。

低価格なだけではありません。ファースト・セカンド・サードダイバー → 7548クオーツダイバー → フォースダイバー → ボーイ と連綿と続くセイコーダイバーズの正当後継モデルと言えます。(公式ではなくマニア間で言われているだけです)


セイコーは、このボーイから潜水防水機能を無くした下記モデルを定価33000円で売りたいので、ボーイは目の上のたんこぶでしかありません。

だからボーイは一気に値上げされました。こんなに儲けの少ないモデルは絶版にしたいのでしょうけど、今のところ売られています。海外にも根強いマニアがいますし、セイコーの中にも保守層がいるのでしょうね。しかしいつまで続くは分かりません。


ボーイについて語りだすと1、2記事はかけてしまいます。簡単に書くと、

・安価だけど堅牢なムーブメント(7S26)
 手巻きもハック(秒針規制装置)もありませんが、秒単位の精度を求めなければ、全く問題なく使用できます。かなり丈夫な機械ですし、万が一壊れてもOHもできます。激安ムーブメントなので交換するほうが安いです。

・長年製造され続けた完成度の高いデザイン
 1979年に発売された7548クオーツダイバーから使われている歴史あるデザインです。もはやザ・セイコーダイバーズと言える定番デザインでしょう。

・はじめてのダイバーズとしても扱いやすいサイズ
 ダイバーズウォッチは大きいものが多いですが、ボーイはケース径42mm×全長46mmと平均的な日本人の腕サイズにもバランス良く収まるサイズです。


カラーバリエーションは、黒・紺・オレンジの3色です。どれもカッコよくて色選びに悩みますね。

Amazonでも買えますが、もはやネットでも安く流通してないので、下記のような実績のあるお店で買うほうが良いと思います。

https://seiko5.shop/watch/5_divers.html


品番の最後にJがつくモデルは日本製です。Kがつく中国製のモデルと性能差はありません。文字盤の文字が違うだけです。昔は海外モデルが激安でしたので、わざわざ日本製を選ぶのはマニアだけでしたが、今は価格差が無くなったので、日本製を選んでも良いでしょう。

ただし日本製にはステンレスブレスモデルはありません。このステンレスブレスは、高級感はありませんが、付け心地が良いのです。ウレタンベルトのほうが軽いけど、硬くてあまり付け心地がよくありません。ステンレスブレスのみの販売もありますから、後で交換することもできます。

https://seiko5.shop/watch/seiko_parts.htm



セイコーダイバーズ モンスター SBDC067

本当は、絶版になった2代目モンスター SRP307 をオススメしたいのですが、もうプレミアがついてしまって中古品も高いです。今回紹介する3代目モンスターはまだネット販売されています。

 初代モンスターは7S26が搭載されてました。オススメしたかった2代目モンスターは4R36を搭載。今回紹介する3代目モンスターは6R15を搭載しています。

これらのムーブメントは基本同じですが、仕上げや機能が少しづつ違います。
ムーブメントをグレードアップするごとに価格が上げられています。初代20000円弱、2代目30000円弱でしたから、これまた一気に値上げされました。

一応現行モンスター(4代目)が発売されています。

www.seikowatches.com

デザインは洗練された部分もあり、進化したとも言えるのですが、モンスターの良さも無くなりました。本物のダイバーズウォッチですから、デザインが気に入れば買いだと思います。モンスターファンがグダグダ言ってるだけです。

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モンスターの良いところを簡単に書くと

・他にはない唯一無二のデザイン。どうしてもサブマリーナの呪縛から抜けられないダイバーズデザインの中でも突出した個性があります。特徴的な回転ベゼル、凝ったリューズガード、モンスターは言い得て妙な文字盤と針など見どころの多いデザインです。

・ゴツく大きく見えるけど実はコンパクト、ケース径41mm、厚さ12.5mmしかなくダイバーズの中では小さいほうです。


カラーは選べません。少し前までは、白・紺・緑・オレンジがありましたが、今はこの色しかありません。正規のカタログには載ってなくネット販売モデルになりますから、限られたネットショップでしか手に入りません。

残念なのはサイクロップレンズ(拡大鏡)が付くこと。私は不要だと思うのですが、この6R搭載機からは標準になります。セイコーには余計なことをする人がいます。この6R搭載機は日付だけだから、なんとか妥協できます。

モンスターはステンブレスよりもウレタンベルトのほうが良いです。ステンブレスの付け心地は悪くないのですが、分厚くてかなり重量があります。20mmのセイコー純正ウレタンベルトは適度に柔らかくて付け心地も良いです。

  

セイコーダイバーズ 復刻サード SBDY015

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サードが復刻されたのは2016年です。当初は国内販売はなく、他の海外ダイバーズとほぼ同価格の設定だったので、実売価格28000~35000円くらいでした。

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上記レビューでも書いてますが、復刻するときにオリジナルよりも少し大きくなってます。ベゼル径で1mmほど大きいだけですが、私の腕サイズ(日本人の平均腕周り165mm)では限界サイズです。だから私よりも腕が太い人ならジャストサイズでしょうし、私よりも細い人にはオススメしません。もちろん判断するのは自分です。今は実店舗で試着もできると思います。

復刻ダイバーズの売れ行きが良く、国内ラインアップの充実をはかるために国内販売されるようになります。基本は同じモノですが、国内モデルはカレンダーが日本語/英語になります。海外モデルは(各地の言語)/英語です。

国内モデルは品番が、SBDYから始まります。海外モデルはSRPもしくはSRPCから始まります。

今はどこでも買えますし、古い初期のモデルは32000円~で買えますけど、偽物も出回ってますからくれぐれもお気をつけ下さい。判別に自信の無い方は正規販売店での購入をオススメします。

 SBDY015は、黒文字盤・シリコンベルトと一番スタンダードなモデルですが、店舗では売り切れてますね。カタログにはまだ掲載されていますけど・・・

新しいモデル(SBDY047以降)は、風防がサファイアガラスになります。しかしサイクロップレンズという余計なものが付きます。どうせ老眼の重役が「カレンダーが見えないじゃないか!サブマリーナを見てみろ!」なんて下らない鶴の声を上げたのでしょう。ブサイク極まりないと思うのですよ。

この新しいモデルも、凝った文字盤、セラミックベゼル、サファイアガラスでカッコいいのですけど・・・サイクロップレンズ。もったいないなあ。

 
余談ですが、確かSRP493あたりからサイクロップレンズが採用され始めました。デイデイトのサイクロップレンズは個人的にダサいと思うのです。実際海外でも不評で、この後のモデルにはしばらく採用されなかったのですが、最近になってまた復活しました。私も老眼が進んでいるから気持ちは分かるけど、見た目を優先して欲しい。サイクロップレンズつけるなら、+数千円で受注生産にすれば良いのにね。安価なダイバーズを買うのは老眼なんて無縁な若い人も多いと思うのです。

すいません・・・ずいぶんと脱線しました。


復刻サードの良いところを簡単に書くと

・特徴的なケースデザイン。海外ではこのケース形状からタートルと呼ばれてます。カタログ写真は真正面からなので分かりにくいけど、サイドラインがすごくキレイなのです。是非、現物を手にとって見て欲しいです。どこから見ても美しいケースです。

・全体的にオリジナルやボーイにくらべて質感がアップしています。デザインはそのままで仕上げを変えてあります。もちろん装飾華美になることはなく良い意味で道具感は残っています。


まだ初期モデルの在庫も残っているようなので、カラーバリエーションは豊富です。限定カラーも多く私も全て把握していません。

ステンレスブレスは重いけど、本体とのバランスが良く付け心地は悪くありませんが、純正のシリコンベルトほうが付け心地は良いです。しかしシリコンベルトはホコリがたくさんつくので好きではありません。結局私はウレタンベルトをつけて使っています。

 

悩む時間も愉しい

長々と紹介してきましたが、結局ベタなセイコーダイバーズになりました。ダイバーズ風の防水時計だと選択肢は増えますが、実はあまり詳しくありません。有名なところだとセイコー5スポーツとかオリエントのマコとか、シチズンの海外機械式モデルとかになるのかな。

5万円くらいまでの本物現行ダイバーズだと、あまり選択肢はないから他の人が書いても同じような時計になると思います。

私は機械式にこだわりはなくクオーツでも良いのですが、セイコーでも普通のクオーツ搭載機だと10万円超えの外胴モデルしかありません。7C46を多少デチューンしたムーブメントで良いので下位モデルにも搭載して欲しいのです。そしてボーイの外装を使って往年のクオーツダイバーを復刻してくれると嬉しいのです。

なぜか下位モデルのクオーツはもれなくソーラーなんじゃ。わたしゃソーラーは好かん。ごく普通のそれなりにコストがかけられたクオーツが一番ええんじゃ。GSではソーラーなんて使われてないのが証拠じゃ。じゃからソーラーばかりのシチズンの現行時計には興味がないんじゃ。


最終的には自分で選んで決めることですから、あれこれ悩んで考えれば良いと思います。その時間も愉しむことができればもう立派なマニアですよ(笑)