セイコーダイバーズカスタム考察

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何度も書いている話ですが、ここ1年くらいはランクルを購入したため、時計業界チェックから遠ざかっていた。ほとんど時計も購入していない。

時計ブログを再開してから、毎日時計情報をネットから仕入れて読む、ヤフオク・メルカリ等の中古市場調査、その他ネットショップなどを巡回して、リハビリを続けている。

 

セイコーダイバーズカスタム業界の現在

セイコーダイバーズカスタム業界もずいぶんと変わっているみたいですね。

基本的には、セイコーダイバーズを買う、サードパーティー製のカスタム部品を買う、部品交換する。この流れは20年くらい変わってませんでした。

しかしここ1~2年くらいで、レプリカケースを販売する業者が出てきました。更に遡ること数年前からオマージュダイバーズウォッチもたくさん販売されましたし、ずっと日本に出回ることのなかった偽物ダイバーズが国内でも売られるようになりました。他のレプリカ部品も売ってるわけですから、レプリカケースが出てくるのも時間の問題でした。

つまり、セイコーダイバーズを購入しなくても、外販用ムーブメントとサードパーティー製のカスタム部品だけでダイバーズが組めるわけです。

私もサードパーティー製のカスタム部品を散々利用してきたわけですから、複雑な心境ですね。もはやそれはセイコーダイバーズではない。セイコーの部品はムーブメントだけなのですから、スモールブランドのオマージュ時計となんら変わりはない。

どこで線引するのか・・・いや個人差が大きいから線引はできないかな。サファイアガラスに交換しただけで、防水性能は怪しくなるのだ。厳密にはダイバーズウォッチではない。

なんとなくレプリカケースは最後の砦のようになっていたと思う。ダイバーズウォッチの要である防水性能は、ケースの設計・加工精度が重要だったので、これがセイコー純正でなくなると、セイコーダイバーズではないという認識であった。しかしよくよく整理して考えてみると、針・文字盤・ベゼルなどを変えることと、ケースを変えることに何の違いがあるのか。行為自体になんら変わりはない。


個人的な好みの話ですが、私のカスタムは極力セイコー純正部品を使うようにしていた。しかしサファイアガラスや、セラミックベセルインサートなどはセイコー純正にはないので、サードパーティー製を使っていた。基本デザインも極力変えない。つまらないと思う方もいるでしょうけど、私はセイコーダイバーズが好きなので、サブマリーナレプリカには全く興味はない。あくまで素材を変えて質感アップしたり、ベゼルインサートと風防の面を合わせて見栄えをよくしたいだけなのです。

 

セイコーダイバーズカスタムの今後

もう写真だけだとレプリカ部品がセイコー純正どうか分からなくなってきた。つまりセイコーダイバーズカスタムはもうオマージュダイバーズと同じです。ネット販売でセイコーダイバーズと書かれていても、ベースが純正かどうかなんて分からないです。

個人で愉しむのは勝手だし全く問題はないが、ダイバーズカスタムの市場価値は下がっていくでしょう。今のダイバーズが絶版になったとき、6309(6306)サードダイバーのようにオリジナル純度が高い個体ほど市場価値がでるのでしょう。逆に言うと市場価値だけを考えるなら、新品が買える今のうちに正規販売店で完全オリジナルの状態で手に入れておくべきなのです。


少し脱線するが、先日カンニング竹山氏がYouTubeについてこう語っていた。

「なんでもそうだけど、みんながやり出した時は終わりなのよ。ビットコインと一緒。あれも俺たちが知った時には、すでにもうけて逃げちゃってたヤツがいっぱいいたわけ。だから今、これだけ有名人がやり出してるってことは、たぶんYouTubeは終息に向かってる」

これ読んで、セイコーダイバーズカスタムも同じと思ったのです。4~5年くらい前まではカスタム部品ショップも老舗の数店しかなかった。少しつづ増えてきて、ここ1~2年くらいでかなり増えてきた。

ebay や AliExpress などでもカスタム部品が安く手に入るようになった。品質は差はあるにしろセラミックベゼルなんて500円くらいから買えます。それをヤフオクやメルカリで転売する人も急増してきた。それらの部品を組んだダイバーズカスタムを売る業者、個人も増えてきた。大手ショップ間で申し合わせをしてカスタム部品の相場を下げない努力はしているのでしょうが、どこでもつくれるモノならすぐに安価に複製品がつくられ相場が原価+αまで暴落するのが中華製品です。

ごく一部のマニアの愉しみだったカスタムが流行り、素人の商材として定着してしまった。これだけ多くなると飽和している感は否めない。独自の部品開発をせずにベタな誰でも扱ってる部品を売ってるだけ人はそのうちババを掴むことになるかもしれない。


昔はあまり部品もなく、オマージュ時計もなかったから仕方ないのかもしれないが、サブマリーナ風のカスタムは廃れていくと思う。いやそのカスタムを否定したいわけではない。

今は、安価で良く出来きたサブマリーナオマージュがある。https://www.wmtwatches.com/
本国サイト
http://miz224055.owndshop.com/
日本正規代理店

このスモールブランドの時計は、多くのブロガーが記事に書いている。驚いたのはロレックスが買える方々が、複数個購入しているのです。本物のヴィンテーロレックスを買うこと考えると格安なんでしょうけど、現行ロレックスが買える人が認めているということは完成度が高い時計ということです。

他にも「サブマリーナ オマージュ」でググったら安くて価格以上の品質のオマージュ時計たくさんヒットします。わざわざ、ボーイをサブマリーナ風にするよりも、今は雰囲気のあるサブマリーナオマージュがあるのです。

カスタム部品をつくるのもオジリナルデザインでつくるならクリエイティブな要素が必要です。だから中華カスタム部品は、センスの良いショップが指定しない限り、人気のある時計からデザインをパクるしかないのです。だからサブマリーナ風のカスタム部品が大量につくられました。

もちろんサブマリーナボーイが好きな人もおられます。ここで言いたいのは良し悪し好き嫌いではなく、そのサブマリーナ風のカスタム部品は今後売れなくなると思うのです。もう値崩れも始まっています。


一番お気軽にイメージチェンジできる、ステンレスベルト・ウレタンベルトなどの需要は無くならないでしょう。ショップ間でのシェアの食い合いはあっても、新しい提案のできるショップは生き残っていくと思います。

人と違うモノが欲しいという欲求は、時計好きには大なり小なりありますから、カスタム部品も無くならないでしょう。しかし今後はもっと多様化すると思います。その中でも人気があるカスタム部品は、すぐに追従され廃れる。この繰り返しなのかな。まあ勝手な想像に過ぎませんが、今後も注目し続けていこうと思います。