こんにちは。
コロナウイルスの影響で、時計業界も発売延期になったりと大変なようです。楽しみにしているセイコーの新製品も発売日が遅れているようですね。
そんな中、こんな時計が発売される情報が入りました。
新作 セイコー5スポーツ
worn&wound blogより画像転載
もう1月くらい前に、Beginが特集記事を書いていましたから知ってる人もいるでしょう。某巨大掲示板でも話題になりました。
セイコーが依頼して先行記事を書いて話題づくりしているわけです。その割にいまだにセイコー公式WEBページに何も掲載されてないことが不思議ですね。
セイコーダイバーズ愛好家は、ええーっ!って驚いたかもしれません。私は驚きましたよ。天下のセイコーが、社外品カスタムを真似してきたわけですから。
回転ベゼルをスムースベゼルに交換するカスタムパーツは、私がボーイ(SKX00*)を購入した頃(2012年)にはもうあったような記憶があります。私は回転ベゼルが好きだったので、スムースベゼルには興味がありませんでした。だからどこのメーカーがいつ頃発売したのか分かりませんが、社外品カスタムの1つだったことは間違いありません。「smooth bezel skx」で検索するとたくさんヒットします。
社外品なので知的財産権の登録などしていないでしょう。そもそもセイコーの製品がないと成立しないモノです。だから本家セイコーがこのスタイルを採用することに何の問題もありません。しかし本家セイコーがカスタムアイデアをコピーするとは思いませんでした。
あくまで本家セイコーは正統派ダイバーズの王道を突き進み、伝統の継承・新たな創造をし続ける存在でした。その歴代セイコーダイバーズを愛好家が楽しむために社外品が生まれ、様々なカスタムがつくられてきたのです。
考え方は千差万別ですが、私はセイコーダイバーズ愛好家としてガッカリしました。この時計の良し悪しではなく、節操なく利益を追求する流れが見え隠れすることにです。もちろん企業は利益を追求すべきです。時代の流れとともに効率化やコストダウンは仕方ないと思います。でもセイコーには時計業界をリードする新しい技術やアイデア・デザインを発信し続けて欲しいのです。
時計自体はコストがかけられている
e-Begin WEBサイトより画像転載
https://www.e-begin.jp/article/126461/
ボーイ(SKX00*)のカスタムスムースベゼルの欠点は、ケースが回転ベゼル用なので、ベゼル自体が分厚くなってしまうことでした。あのゴツイ感じもマニアには受けていたのかもしれません。
セイコーはこのモデルのためにケースを新規製作したようです。小さくなったと記事に書いてあったので、ボーイズボーイ(SKX013)の38mmケースがベースかと思いましたが、仕様を見ると40mm径で、ラグ幅22mmとあるので、完全新規ケースです。スムースベゼル専用ケースなのでベゼルも薄いです。セイコー5スポーツと同じくバネ棒外し用の穴がラグに開けられています。
文字盤・三針も専用デザインになっています。インデックス・針のボリュームを減らして、薄くなったベゼルとバランスをとっているようです。
複雑な気持ち
セイコー5スポーツが発売したときにも感じたことですが、
やっぱりセイコーダイバーズ愛好家としてはどうも受け入れられない時計なんですよねえ。「別にカッコ良ければいいじゃん!」「マニアうぜえ!」と若い人や一般のお客からは言われるのは分かってるのです。
時代に取り残されているのは、古参の愛好家だけなのでしょう。大手メーカーが新しいモノを生み出して、それにユーザーが付いていく構図は時代遅れなのでしょう。そもそも腕時計自体が最先端の機械ではありません。必需品ではなくなり趣味品として生き残っているだけです。
多様化も進みメーカーが流行をつくり出すのも限界があるのかもしれません。今はコラボやショップオリジナルモデルが売れていたりします。ベースは既存のセイコーの製品なのですから、ユーザーはショップのブランドを購入しているだけなのでしょう。中身を気にするのもマニアだけです。
だからダイバーズとしての防水性能も不要なのです。見た目がそれなりに流行通りでカッコよく、それなりに安価でも利益が出れば良いのです。たまたまベースが愛好家の多いボーイ(SKX00*)だったから引っかかるだけなのです。こういうモデルも今の時代を生き抜くためには必要なのでしょう。そう考えると面倒臭いマニアも腑に落ちるのです。