インターネットと時計販売

現在のインターネット販売

先日まで、下記の時計を手に入れるために奔走していました。

www.timefactors.com

SMITHS MILITARY PRS-29Awww.timefactors.com

£405と少々高価。まとまったお金が必要なので、いくつか手持ちの時計を売却しました。この Timefactors というお店はいつもは閉店していて数ヶ月おきに数分だけ開きます。その瞬間を狙って注文しなければなりません。

昨日の3月14日 現地時間14:00~(日本時間23:00~)に受注開始でした。数分の勝負とお知らせメールに書かれていましたから、事前にアカウントを作成して住所入力は済ませていました。

その瞬間の1分前からリロードしまくり、カートボタンが出た瞬間にボタンを押し、住所表示させて速攻OKボタンを押しました。このお店ではモノを購入したことがなく、アカウントも作成したばかりですが、すでにクレジットカード情報が入力されていました。もちろん今回使用するカードは違いますから、入力し直さなければなりません。ここで少しもたつきましたが、2分以内で完了ボタンを押したと思います(さすがに正確な時間を計る余裕はありませんでした)

しかし出てきたのは SOLD OUT の文字でした。

多分、クレジットカードの入力をしていては勝てないのでしょうね。つまり一見さんお断り。一度は他のモノでいいから買い物して実績を積んでねということかもしれません。

それなりに時間と手間を掛けたので、かなり凹みました。はああ。マジかよ。1分で完売ってどういうこと。そもそも何個あったのだろう。

落ち着いて考察してみると、なぜこの時計がこんなに欲しかったのだろうと覚めている自分がいたのです。

射幸心を利用する

そもそもこの Timefactors はこんなお店ではありませんでした。6年ほど前にセカンドダイバーレプリカを比較検討したことがあります。

oldjapanwatch.blog.fc2.com

この当時からつい最近2018・19年あたりまでは、普通のネット通販でした。いつでも買い物ができて、どの商品も普通に買えました。もちろん在庫切れすることはあったけど、数ヶ月待てば入荷していました。だからこそいつでも買えると思って、今回欲しかった PRS-29A も保留していたわけです。

以前の PRS-29A は£280でした。風防がプラスチック → サファイアガラスに変更されているけど、その変更内容の割に大幅に値上げされています。

この時計を欲しがるのは一部のマニアだけだと思います。SMITHS を継承しているとはいえ、マイクロブランドです。ほとんどのモデルは他メーカーのレプリカを売っています。爆発的には売れないけど、マニアが欲しがるようなモノづくりをしています。

では以前と何が変わったか。

「SMITHS PRS-29A」でググると多くのレビュー記事がヒットします。単純にオーナーの数が増えてブログなどの記事を書いてるだけかもしれませんが、以前に比べて露出が増えたのは確実です。邪推すると提灯記事もあるような気がします。

前述しましたが、売り方が変わりました。いつもはカートに入れるボタンもなく購入はできません。在庫があるモデルも購入することができません。売り切れるのは一部の人気モデル(エクスプローラーレプリカ、W10などのミリタリーレプリカ)だけです。全てのモデルを数ヶ月に1度だけ受注をしています。

まるでロレックスの販売戦略のようですね。一見さんお断り。人気モデルはいつも在庫がない。本当に欲しけれれば購買実績を積んでね。販売数を絞って希少感を演出しているわけです。もちろんロレックスが長年積み上げてきた実績と良いモノと認められたブランドがあるからできることです。


希少感、今風にいうとレア度の高い演出をして射幸心を煽るやり方が、現在のインターネットが発達した社会では常套手段になっています。ソーシャルゲームのガチャなどもそうですね。

販売数を絞って、滅多に買えない。速攻完売。瞬殺・・・など謳い文句は色々ですが、この結果情報が重要なのです。本当にどれだけ売れたなどはユーザーには分かりません。手に入れるのが難しいと思わせることが重要なのです。ゲームガチャなんて実体はただのデータに過ぎません。

そう考えると大幅に値上げされたことも理解できます。販売数を絞って利益を確保するには価格を上げるしかありません。実際 Timefactors では人気のあるモデルだけ値上げされ、他のモデルは値下げされているモデルもあります。

ヤフオクでは相場を上げるために自前で高価落札して落札手数料を払ってまでも実績をつくることがあります。なぜなら今のオークションはこれまでの落札結果を見て販売価格や落札価格を想定するからです。

つまり現在は、情報がひとり歩きして尾ひれがつき拡散するわけです。その情報を操作することも販売戦略になっているのです。

私もこうして PRS-29A が買えなくて悔しいとブログに書くことで情報を拡散しているわけです。

複雑な情報化社会での生き方

言い方は悪いけど、ロレックスを買う人のほとんどはロレックスが何が良いのか、ロレックスの歴史も知らないでしょう。そんなことよりもリセールバリューの良さであるとか資産価値に興味がある人が買う時計なのでしょう。買えない貧乏人が何言ってるの?と言われると返す言葉もありませんが、情報操作された最たるモノだと思う。ロレックスは高級・良いモノ・希少なモノという強力な刷り込みは凄まじいと思う。全世界でそう思わせているから高い換金性があるのです。

ロレックスはインターネットがない時代から存在していて、多くの人々が宣伝してきたのです。残念だけど Timefactors にはそこまでのブランド力はありません。

確かに現在販売されているW10レプリカの中では PRS-29A の出来が突出しています。だから私も欲しくなったわけです。しかしあくまで今販売されている中だけの判断ですし、SMITHSという商標以外はデザインの知的財産権もありませんから、他メーカーがつくることができます。

販売数絞って希少性を演出していると、金の匂いを嗅ぎつけて転売屋も群がってくるでしょう。しかしW10が儲かると思われると他のマイクロブランドからも出来のよいレプリカがつくられるかもしれません。そうなるとマニアはそちらに流れていくでしょう。私はそれを待っているわけではありませんが、買えないモノをいつまでも指くわえて待っていることもしません。


私も情報に翻弄され PRS-29A を買うために右往左往しました。しかしよくよく考えてみると、普通にネット販売されているときはずっと買わずに保留されていたわけです。海外通販は多少面倒臭いけど、本当に欲しいならばとっくに購入していたはずです。販売方式が変わって焦って動き出して欲しい気持ちが増幅されただけなのです。

物欲が多少なりともある人ならば、簡単に操作されるということです。そしていつの間にか情報拡散のお手伝いをしてしまいます。インターネットは便利だけど情報の取捨選択・考察をしなければならないのです。今回は私も良い勉強になりました。


・・・で余ったこのお金で何を買おうか(笑)
本当にバカですねえ。でもこんなときに貯金なんて考えはおきないのが泥沼マニアです。もう少し資金を増やしてアレを買おうかな・・・なんてね。