最高のアウトドア時計 セイコー プロスペックス SBDY061(前編)

セイコーの伏兵にヤラれる

先日、気になる時計として記事に書きました。

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写真はセイコー公式webサイトからの転載です

www.seikowatches.com

2018年に海外でストリートシリーズが先行販売されていたようです。

www.seikowatches.com

基本デザインは、セイコーダイバーズ伝統のひとつである外胴を採用しています。脚が短い丸形ケースに外胴と呼ばれるケースプロテクターがボルト止めされ、その外胴の内側に回転ベゼルが収められます。このデザイン方程式を基本とし、文字盤やその他ディテール、カラーリングを変更して既存のダイバーズとは違うイメージに仕立てられています。

マリーンマスター プロフェッショナルのように実際に潜水することを考える必要はありません。陸上で使うにはオーバークオリティな防水性能(200m防水)は備えています。潜水用携帯時計のJIS規格にも適合していますからダイビングにも使えますが、絶対的な見やすさを重視することなく、スタイルやイメージを先行させているシリーズなのです。

特徴的なカラーリングは、サファリルックを基調としているそうです。ファッション素人にはサファリルックと言われてもピンときません。どちらかというと定番化しているミリタリーカラー(オリーブ・カーキ・ベージュ・グレー)を狙っていると思います。この時計を買う層はサファリルックなんかよりもミリタリーイメージとして惹かれると思います。私はこのマットなミリタリーグレーにヤラれたわけです。

マッドグレーを使ったセイコー防水時計は、このナノ・ユニバースコラボモデルが最初だったと記憶します。

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写真はPen webサイトより転載

www.pen-online.jp

結局購入はしなかったけど、良いコラボだと思います。セイコーダイバーズらしさは残しつつ、主張しないシンプルで洗練されたデザインでまとめています。

マットグレーと言っても幅広いのです。
感覚的にしか説明できませんが、少しブルーの入ったミディアムグレー ~ ジャーマングレーあたりが好みです。まあ色名書いても塗料メーカーによって全く解釈も異なりますから、結局は現物を見てみないと分かりません。それに私も曖昧ですから、ストライクゾーンも広かったりします。

いかんいかん。脱線していますね。

とにかくこの時計に一目惚れなのです。発売日に近くのビックカメラに現物を見に行ったのですが、展示されてませんでした。どうやら東京でも一部の主要店舗しか置いてないようなので、私の住んでいる地方都市に置いてるはずありません。しかし新製品なのですから1個くらい展示しないと実店舗販売の意味がないですよねえ。外胴ソーラーの古いモデルが売れ残っていたので、仕入れるつもりがないのかな。仕方ないのでネットでポチることにしました。

渾身レビュー

ネット通販は便利ですね。注文すれば早くて翌日、遅くても翌々日には届けてくれます。しかも安いです。正確には今現在の最大値引きは8掛けなので、ネット店舗では一律51900円(税込み)です。ここから店舗によってポイントをつけて実質的な追加値引きをおこなっています。

箱を開ける瞬間はいまでもワクワクドキドキします。

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箱はいつもの汎用紙箱ですから特筆することはありません。

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おおおーーっ!
カッコいいじゃん!

速攻でタグと保護フィルムを剥がします。

まずは全体の話

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第一印象は、webカタログスペックを見て思い描いたイメージよりも小さく見えました。後で他ダイバーズとの比較もしますが、感覚的にはボーイズダイバーズ SKX013と同じくらいの大きさです。

外胴ダイバーズは初めての購入だったので、これまで気にすることもなかったのですが、外胴プロテクターがあるから外胴ダイバーズは大きいのです。
何言いたいのか分かりにくいですね。
外胴プロテクターがつくと外径が4~5mmくらい大きくなります。当たり前です。このSBDY061の外径は43.3mmなので、実際のケース径は38mm(想定)くらいです。さらに実測するとベゼルインサート径は36mm、風防ガラス径は28mmです。
風防ガラス径28mmは、ボーイズダイバーズ SKX013と同じだから、同じくらいに見えると言うことです。(外径は違いますから見え方の話)

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実際には立派な外胴がつくので大きいはずなのですが、黒くコーティングされていて、収縮色で小さくみえます。

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上図のように目の錯覚で、外径が同じ時計でも、ケースが黒色で風防ガラスが小さいほうが、全体に小さく見えるのです。

文字盤

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文字盤は、今でのセイコーダイバーズの寄せ集めですが上手くまとまっています。インデックスはファーストダイバー。12時インデックスだけはセイコーダイバーズ伝統の逆三角。12・9・6時インデックスの内側ラインは、サードから始まる形式。針はファーストダイバーより太く、SBDX001に似ているかな・・・つまり今までのセイコーディテールを組み合わせているので既視感バリバリなわけです。逆に言うと一目でセイコーと分かり、セイコーファンは安心できるデザインだと言えます。

この文字盤は読みやすくて良いです。針が太く長いので、強度の老眼でも時刻を読むことができるでしょう。ただし銀針なので屋外では光が反射して見ずらいこともあります。

セイコーの低価格機械式ダイバーズに搭載されるムーブメントは、6R・4R・7Sです。基本設計はすべて同じなのでカレンダー位置も同じです。
この文字盤を見るとチャプターリングに接触するギリギリの位置にカレンダー窓がありますから、低価格機械式ダイバーズでは最小サイズになります。

カレンダーは日本語/英語を切り替えて使うことができます。もちろん私は日本語で使います。黒地に白文字なのが良いですね。(日曜日だけは赤文字)

インデックスはプレス加工(エンボス加工)され、メッキの縁取りがあるもの。インデックスと針、一部のベゼルインサートにはルミブライト(夜光)が塗られています。

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ルミブライトは強力な夜光なので、少し蓄光しただけで明るく光ります。ベゼルのメモリが光ることにあまり実用性はありませんが、一応経過時間を計ることができます。

ベゼル

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セイコーダイバーズは、一番安価なモデルのベゼルもスムーズにカチカチとクリック節度も良く回転します。ケースとベゼルの機械的な嵌合とベゼルガスケットの摩擦力、クリックスプリングだけのシンプルな構造なのですが、気持ちよく使うことができます。他メーカーはベゼルのタッチにはこだわっていないのかもしれません。

ベゼルの滑り止め形状は、外胴ダイバーズで定番の丸溝が入ったタイプです。指への掛かりも良く安定して回すことができます。

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ベゼルインサートは、梨地仕上げのクリアプラスチック製です。裏側から着色・ルミブライト塗布されています。セイコーではあまり採用されませんが、かつて SNZH55 や SRP191 などで使われたことがあります。この当時のクリアインサートは艶あり仕上げだったので、キズが付いても磨けば良かったのですが、梨地仕上げだと磨くわけにいきません。ダイバーズウォッチなのであまりキズを気にしても仕方ありませんね。

ベゼルインサートのルミブライト塗布部は、裏側から彫り込んでいるので、表からみると立体的に見えます。細かいところですが、ベゼルを光らせるためにコストが掛けられています。


長くなってきたので、今回はここまで。
次回は、ケース・外胴プロテクターのレビューなど。
乞うご期待。

 

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